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為替相場ではドルの先安リスクが高まる中で、FRBが算出しているドル実効相場(広範な貿易取引通貨に対するドルの総合評価、97年1月=100)は97年10月以来の最低水準に到達してきた。
3月30日時点で105.97となり、直近では昨年12月5日の105.94以来の最低水準となっている。
昨年12月はこの106割れが広範な通貨に対してのドル最安値となり、ドル/円でもドルが反転上昇した。反対に割り込むようなら「97年10月以前」という、クリントン政権がドル高政策を強化する以前のドル安時代に逆戻りすることになる。
その意味で目先はテクニカルにいったんドルが自律反発するか、あるいは節目を割り込んで対中国人民元など、対「新興成長国通貨」を中心に新しいドル安ステージへと移行するかの重要局面を迎えつつある。
なお、実効為替レートとは通貨そのもの価値を測る指数。ドルと主要な他通貨間のそれぞれの為替レートを貿易相手国との貿易取引量で加重平均し、指数化した為替レートとなっている。
「円に対するドル」や「ユーロに対するドル」では価値が異なる場合があるため、総合的な価値を単一の指標でドルの実力を表したものとなっている。
なお、昨年12月時と現在のドル実効為替レート(左側)とドル/円(右側)は以下の通り。
<昨年12月5日の106割れ前後>
11/22 107.35 116.63 (ドル急落)
11/24 106.85 115.93
11/27 106.78 116.13
11/28 106.64 116.15
11/29 106.64 116.29
11/30 106.34 115.56
12/01 106.21 115.35
12/04 106.18 115.37
12/05 105.94 114.99 (実効相場106割れ=ドル底値)
12/06 106.00 115.07 (ドル底入れ)
12/07 106.03 115.13 (ドル反転上昇へ=ドル/円も)
12/08 106.34 116.23
12/11 106.42 117.02
<今年3月30日の106割れ前後>
3/19 106.78 117.52 (実効相場でドル下落)
3/20 106.47 117.34
3/21 106.28 117.83
3/22 106.04 117.75
3/23 106.22 117.84
3/26 106.22 117.85
3/27 106.11 117.81
3/28 106.14 116.82
3/29 106.16 117.76
3/30 105.97 117.57 (実効相場106割れ)
<参考;97年10月時のドル実効相場>
1997/10/10 105.33
1997/10/14 105.65
1997/10/15 105.70
1997/10/16 105.57 (105本格割れなら新しいドル安ステージ入り=時系列を逆流で低下のリスク)
1997/10/17 106.14 (106前後=97年から07年までに至るドル最低水準)
1997/10/20 106.49
1997/10/21 106.72
1997/10/22 106.79
これを見る限りでは、今まさに歴史的瞬間の分かれ道に居るわけですね。
最近の弱い米指標を見ていると、それもしょうがないような気もいたします。
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